EDU

『インセプション』(クリストファー・ノーラン)

上映終了間際に駆け込み。すでに見た友人に感想を訊ねるとたった四文字、「微妙・・・」とだけ返されてしまったのであまり期待せずに見に行ったけど、普通に楽しめたから良かった。
夢と現実という二つの世界ではなく「夢の夢」という複雑な構造を持った作品でありながら、それぞれの世界における時間の流れ方をずらすことでスッキリと展開させていた。この「解りやすさ」は時間の流れ、それぞれの夢の連動を登場人物による小難しい解説だけではなくて揺れやスローモーション、次第に滲み出す血など視覚的なものでも示していたからだと思う。その一方でラストは少しわかりにくい、というか幾つか解釈できる終り方になっていて、そこらへんのバランスは良いと思った。そして一瞬だけ映し出される老いた男女の、線路の上で繋がれた皺くちゃの手に感動(その前に映し出された線路の上の若い二人のイメージは誰のイメージだったのか?罪の意識に苛まれ、共に年を取ったことを忘れてしまったコブのイメージ?)。

見てる途中で「この肩幅の狭い男は、もしや・・・!!!」と、コブの相棒アーサーを演じていたのが『(500)日のサマー』主人公のトム(ジョセフ=ゴードン・レヴィット)であることに気付いて一人静かに興奮。キリアン・マーフィーかっこいい。