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八年後

私は30代半ばになった。東京から田舎に戻ったけれど、人生がうまくいかなくて、思い描いていたものと大きく差があって、まあでもそんなものだよねって毎日少しずつ諦めてどうにかやり過ごす。きっとみんなそうだろうね。でもどうにかしたいよね、どうにか。

no title

三日前に昇級試験不合格の通知を受け、三連休をずんぐりどろどろした気持ちで過ごしていました。いまだに立ち直れず。嗚呼。 合格する自信があったから辛いんじゃなく、死ぬほど頑張ったからこそ辛いし、結果を受け入れられない。頑張ったからといって必ず報…

no title

1年ぶりの更新。前に更新したときから生活は大きく変わりました。引っ越したり、就職したり。 最近は(といっても2か月位経ってしまっているけど)横山悠太『吾輩ハ猫ニナル』にたいへん感動しまして、自分も何かしら物を書かねば、という気持ちになってい…

no title

「最近何か映画見た?」 「うーん…有名な作品だと『華麗なるギャツビー』見ましたよ」 「俺も見たぜ。財力手にしてもずっと一人の女を待ってたっていうやつだよな…女が好きそうな話だったなぁ…で、あれ最後どうなったっけ?」 「覚えてないんですか?!忘れ…

2012年、こんにちは

きょうは1月3日です、周りはお正月ムードなのに私はなんだかお正月という気分がしなくて、お正月を演じている世界で暮らしているような気分。へんなかんじ。 去年もあまり映画を見ることはできなかったなぁ、やっぱり東京で大学生活を送っていたころが一番時…

『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』

イーサン登場→脱獄の流れがとにかくかっこよくて、もうその後が霞んでしまうくらいだった。『ナイト&デイ』で死んだと思ったロイがジージャン姿で再び現れたときのアレ。イーサンの顔がみえた瞬間に待ってました!と言いたくなる。画面に顔が映っただけでこ…

『ヘヴンズストーリー』みてきました。復讐というと『接吻』を思い出すのだけれど、瞬発力のある『接吻』のエネルギーとはまた異なる持続の力が確かに存在しています。4時間38分かけて堆積したイメージが、質量をともなった物質になってゆくような不思議…

9月の採用以来なんだかんだで忙しくて、いや、余裕が無いと言ったほうが正確か。いろいろ考えることはあるのだけれども言葉にして残す作業をしておらず、なんだか無駄に過ごしたような感じ。仕事は地味です。でもやりがいがあります。今週末は行政書士の試験…

水の精

初出勤。契約職員なのにきちんと挨拶回りやら辞令の交付式やらもろもろあって少し気疲れ。腰痛い。あしたから三連休でよかった。頑張ります。 ◇ 最近よくクラシックを聴いている。しばらく聴いていなかったので頭のなかをからっぽにして、純粋に、音の運動を…

ぼくらが旅に出る理由

震災のときの写真のうち最も印象に残っているものに、カーキ色のジャンパーに長靴をはいた少年が口を一文字にキュッと結び、足元を見つめながら水を運んでいる写真がある。わたしにとって被災地で力強く生きる人々の象徴のような存在となっているその少年の…

私の運命線

10月8日から私の地元那覇の映画館、桜坂劇場でゴダールの最新作『ゴダール・ソシアリスム』といくつか過去の作品が上映される。せめて『気狂いピエロ』だけは沢山の方に見て欲しいなぁと思いながらyoutubeでアンナ・カリーナが《Ma ligne de chance》を歌う…

Fleurs d’équinoxe

『彼岸花』(小津安二郎、1958年)。今まで『お早よう』が小津最初のカラー作品だと思っていたがそれは勘違いで、『彼岸花』のほうが『お早よう』より早いということを知った。後半笠智衆が詩吟を披露するシーンでどことなく漂う倦怠感がとても良い。一年前…

永遠はとおく

朝から嫌なことばかりでいらいら、勉強も手につかずだらだらと午後6時。夕日を見ようと思い立って近くの海へ出かけたが、結局海と太陽が混ざり合ういちばん美しい瞬間には間に合わなかった。

『秋刀魚の味』

7月に入ってからというもの、あまり映画を集中して見ることができなくなりました。自分の将来のことなど不安が大きすぎて、なんだかぼんやりとした気分になって。ツタヤで『スミス夫妻』を借りたのだけどそれもイマイチ楽しめず…しかし『秋刀魚の味』だけは…

「つなみってよくばりだな」

きのう買った本。文藝春秋増刊「つなみ 被災地のこども80人の作文集」 2011年 8月号出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2011/06/28メディア: 雑誌購入: 8人 クリック: 64回この商品を含むブログ (19件) を見る幼稚園から高校まで、被災したこども達の作文集…

水道橋の下を神田川が流れる

夏がきたな、と思わずにはいられない、暑いあつい一日だった。渋谷から後楽園まで歩いたのだけれども、人や街を眺めながらただひたすら歩くのはほんとうに楽しかった。四谷、飯田橋あたりを歩きながら「ああ、東京は川が流れるまちなんだなぁ」としみじみと…

『古奈子は男選びが悪い』

先週末、渋谷のツタヤがレンタル100円だったので色々借りてきました。棚の前で選んでいるときの幸せといったら、軽く歌って踊りたくなる程。ルビッチの『生きるべきか死ぬべきか』を狙っていたんだけど、全部レンタル中で借りれず…しかし「ルビッチ選んでる…

マラルメと大戦

ずっと買えなかった岩波文庫『マラルメ詩集』(鈴木信太郎訳、1963年)を筆記試験ついでに母校の生協で購入。筑摩の世界文学大系『マラルメ・ヴェルレエヌ・ランボオ』にも鈴木訳のマラルメの詩があったと思うけど、やはり文庫だと手軽に読めて良い。邦訳だ…

マキノ雅弘『千石纏』と『女賊と判官』。ひさびさのフィルムセンターでした。 『千石纏』は江戸っ子の力士と纏持ちのやりとりが気持ちいい。喧嘩が原因で部屋を追い出された力士の不動山が道中、纏持ちの長次の母親の話を聞くシーン。頭を下げながら話す母親…

Ossos

ペドロ・コスタ『骨』。撮影はエマニュエル・マシュエル。オリヴェイラ『クレーブの奥方』(1999)を観たときは『ラルジャン』(1983)のキャメラだとすぐ気付いたけど、この二作品の間に撮られた『骨』(1993)は短めのショットの連なりや対象との距離の近…

Amerika, rapports de classe

近所の大学図書館でストローブ=ユイレ『階級関係―カフカ「アメリカ」より』。ストローブ=ユイレの長編を観るのは久々。恥ずかしながらカフカの原作を読んでいないから不確かな記憶だけど、たしかブルネルダのところで軟禁される章が原作では未完で、次のオ…

マイユのマスタード

友人が作ってくれたポテトサラダの美味しさにひっくり返る。隠し味のマスタードで味がまろやか(しかも大好きなマイユの種入り)。これくらい美味しいポテサラを作ってくれる男性がどっかに転がってたらいいのになぁ。おじゃがさんを茹でるのが面倒なので、…

Le ciel peut attendre

第一志望の企業(というか学校)にあっさり落ちて殴られたような気分になったのが6日前。それから色々考えて、頭のなかはぐっじゃぐじゃ。留学はしたいけど、教員免許持ってる訳じゃないから帰国後の就職が難しいし。かといってこのまま就職したら一生日本を…

「劇的3時間SHOW」

ホウ・シャオシェン監督×一青窈、蓮實重彦。10分くらいだけど、ダイジェストがアップされてます。監督の口から「模索」という言葉がでてきて正直びっくりした。なんというか、ホウ・シャオシェン監督の作品ではすべてが必然、という印象があったので。 http:…

『ヒズ・ガール・フライデー』(ハワード・ホークス、1940年、米)

地震以来、映画を観ることができませんでした。というか「観たい」とは思っているんだけど、セットしたDVDの再生ボタンを押せなくて。その間に『スプリング・フィーバー』の上映は終わるし。きのうもツタヤのすぐ目の前まで行ったのに、お店のなかに入れなか…

ピエールとジャンはいかれたアフロ

4月まであと10日しかない。ここ二ヶ月くらいあっというまだなぁという感じがするけど、やるべきことがなんにも進んでいないから、もうとにかく、本当に本当に焦る。いままで色々サボりすぎた。怖くて手帳を開けない。しかし人間焦るとどこかおかしくなる様で…

地震から数日たって、やっと冷静になれました。これまではずうっとパソコンの前で情報収集し、消えてしまった町に向かって「おかあさん!」と泣き叫ぶ少女の映像で頭がおかしくなったりしました。 でも今自分ができることといったら募金や節電くらいだし。被…

『キック・アス』

体調が悪かったのもあってイライラしてしまい、ツイッターで「駄作」と言ってしまった『キック・アス』ですが、一日置いて冷静に考えてもやはり好きになれなかった(私にとって)珍しい作品です… まず主人公のキャラクターがわからない。誰かを助けることの…

勉強のあいまの仮眠中にフランスの大学で勉強している夢を見まして、目覚めたときに「夢でも勉強かよ」と思って苦笑。でもすぐに悲しい気持ちになって、涙がちょちょぎれた。 留学したいなぁ、と今でも思います。このままダラダラと死んだように生きて、そし…

cinéphile et cinéphilie

ずっと「シネフィル」という言葉や「映画を愛する」ということについて、複雑な感情を抱いていました。「シネフィル」と呼ばれる人たち、あるいは自称する人たちがあたかも普通の映画ファンとはちがった映画論、感覚を持っているかのような言い方をされてい…