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パリ滞在記・その4

7日目。
朝からペール・ラシェーズ墓地に行く。コミューンの壁を見た。すべての革命はのるかそるか。
墓地の近くのお花屋さんでバラを買い、アポリネールのお墓におそなえした。「ミラボー橋の下をセーヌ川が流れる」って、高校生の私にはかなり衝撃的だったけど、今考えれば堀口大學の邦訳の凄さでもある。ともかくアポリネールは、モーパッサンと同じく、私を仏文に導いてくれた作家の一人。やっとあなたの近くまで来ることができました、ありがとう。
その後、私よりも後にパリに到着した友人たちと合流。エッフェル塔やらシャンゼリゼやら、観光スポットを一通りまわって夜に再びエッフェル塔へ。19時になると青白い光できらきらと輝き、写真を撮るのも忘れさせる程に美しい姿を私たちに見せてくれました。「プロポーズされるならエッフェル塔が見えるところで。交通費は自腹で出しますから」と、女子8人で妄想に浸る。
ちなみに、この日は第35回セザール賞授賞式。ホテルのテレビで授賞式をちょこっと観た。

8日目。
暴風というか嵐というか。朝方は台風みたいな天気でびっくり。
そんな天気のなか、ルーヴル美術館へ移動。広いとは聞いていたけど、ここまでとは・・・とにかく疲れるし、ちゃんと計画を立てないと全然楽しめない、ということを実感。そして美術館のあり方について考えさせられた。学芸員がまったくやる気なくて、フラッシュたいて写真撮っても注意しない。むしろ学芸員同士でお喋りして、フロアをまったく見てない。これは結構残念だった。
ルーヴルのあとはオランジュリー美術館へ。「モネの《睡蓮》がある美術館」ぐらいの認識しかなかったけど、私が最近ハマってるマリー・ローランサンの絵も何点かあって楽しめた。

で、ででで!友人と別れたあとに、現在パリ留学中で、以前mixiでお世話になったSさんとシネマテークで会えた!!しかもSさんの知り合いの先生(日本人)ともお話できた。一緒に映画を観たあとはシネマテーク近くのカフェ(といってもその日はサッカー中継でスポーツ・バーみたいな騒がしさだったけど)でお茶を頂きながらおしゃべり。お二人ともすごく映画に詳しいから、そんな人たちに対して映画について話すのは少し恥ずかしかったけど、でもとっても楽しい時間だった。帰国した今思い返せば、この時間がパリ旅行でも一番思い出深い。シネマテークでの素敵な出会い、その2。

映画はストローブ=ユイレ『花婿、女優、そしてヒモ』『今日から明日へ』を鑑賞。ストローブ=ユイレは自分にとって特別な意味を持つ作家。パリで観ることができて良かった。